家に帰る途中

空斗にひとつの疑問を聞いてみた

「ねぇ、空斗。何であんなとこに居たの?」

「俺さぁ、毎日走ってんだよ。」

「そうだったんだー!!でも、ホントに助かった。ありがとね。」

「大したことじゃねぇーよ。誰でも階段から落ちそうになってたら助けるだろ…。」

と言って空斗は頭を掻いた

空斗が照れたときにやる癖…

ふふっ

変わらないね

耳まで赤くなった空斗は

可愛くて

愛しかった

「さぁ、到着!!そう言えば引っ越してから入ったことないんじゃない?」

「そっ…そうかもな。ってか、折角だけど俺…帰るわ!」

「何言ってんの!!手当てしなきゃバイ菌入るよ!ほら入って!」

トントントンッ

誰かが歩いてくる音がした
「おっ。お前男居たんだな。」

と声をかけてきたのはあの男…

「……。」

「折角俺が話しかけてやってんのに何か言えよな。」

「さぁ、空斗…早く入って!」

「おぉ…。」

あたしはあいつを無視して
空斗を無理やり

部屋に押し込んだ

話しかけてくるなんて…

関わりたくないのに

「藍沢?」

「えっ…あぁゴメンネ!今傷口消毒するから適当に座ってて!」

「おっ、おぉ…。」

確か…救急箱

あの棚の上に置いてたんだけど

ない…

「あっれぇ…」

「藍沢やっぱりいいよ!」

「えっ?!あぁぁー!!」

「藍沢っ!!」

あたしの体がまたふわりと倒れた