次の日の夜11時。

「お疲れ様でした~」

バイトの木村君はやはり来ることが出来なくて、また私が延長になった。


店をでると、1台の軽自動車・・・もしかして・・・。

「藤崎さん」

車から顔を出したのは

「矢崎さん・・・」

「送ります」

「えええええ」

「乗って」

「あ、はい」

こんなことってあっていいのか?

「お邪魔します」

「はいはい」

「どうしたんですか?」

私の質問に、ニヤニヤしながら

「いや、運命の人がどうなったかと思ってね」

と悪戯っぽく笑う。

「また?・・・もう、やめてくださいよ」

「ははっ。ごめん。ちょっと気になったからさ」

ああ、もう、本当にツボる人だな。

「すみません。何か気を使わせてしまって・・・」

「いやいや、俺が勝手にしたことだから」

・・・その優しい笑顔は反則だよ・・・。