「なぁ…頼むから…行くな…。」 さっきまでとは全く違う態度と声に私はこの抱き締められてる腕をふりほどくことも何もできない…。 弱々しく微かに震える肩がなんだか切なく感じた。 そして私は自分の腕を彼の背中に回した。 ギュッ… さっきよりも強くなる彼の抱きしめる力。 きっとこの人は私に誰かを重ねている。