恋ノ音色 ~聴コエヌ音~

『そ、それで悠は無事なんだよね!? 死んでなんかいないよね!??』

「病院に運ばれた時には、もう・・・・」


裕真の言葉が私の胸に突き刺さった。


『う・・う、そ・・・』

「・・・ねぇ、姫? 聞いて・・・?」

『・・・・・・』

「悠は・・・男子100Mと1000Mで大会新記録を出して優勝したんだ・・・
それで悠は帰り道に

《・・・きっと裕真やことりよりも大会にきたかったはずの姫乃が行けなかったから俺は姫乃の喜ぶ顔がみたくてがんばったんだ。
姫乃・・・きっと喜ぶな・・・》

って言って笑ったんだ・・・ あのいつも仏頂面の悠が姫のことを考えて笑っていたんだ・・・
なに考えてるのかわからない悠でも姫のことだけは本当に・・・本当に好きだったんだってどんなにバカな俺でもわかるんだ。」

『・・・・・・・・・・・・』