けない態度をとってしまった。

せっかく話しかけてくれたのに目もろくに合わせず忙しいふりをして

「はぁ。そうですね。頑張ります」

なんて何やってるんだろ―私。


そんな私の態度さえもニコニコ笑って受け止めてくれる彼は、私にとって天使のような存在だ。と思っていた―


しかし圭也はとんでもない「堕天使」で、もちろん美沙だけのものになることもなかった。

5月〇日


いくら目の前の席といえどもあまりまじまじと見つめてしまうと周囲にも気付かれるし、第一大好きな圭也に不快な思いをさせてしまう。


彼を見つめ過ぎないよう注意しながらも動きがある度に視線がついつい行ってしまい、また視線を外してはの繰り返し。「盗み見る」ってこういうことを言うんだろうか?


そんな毎日を重ねていくうちに、私は圭也の素敵なところをたくさん見つけた。彼は手が綺麗。女の子みたいに細くて繊細な手をしている。電話をとった時の受話器を握る細い指、コピー機のスタートボタンを押す人差し指が大好きになった。あの手に触れられたいと思う時もあった。

正面から顔をまじまじと見つめることはできないが、たまに私に背中を向けて誰かと話す時に見える、斜め