君の手が奏でた夢

 
その日。

選択授業の音楽で
歌のテストがあった。



一人ずつ
先生の弾くピアノの隣で
与えられた歌を歌う。

始めはみんな
前に立つ生徒の歌に
聴き耳を立てているけど

何人もがテストを受けて

次第に誰も
歌なんか聴かなくなる。

私は苗字が雲雀で
比較的順番も後で…

誰も歌なんて
聴いていないと思った。





与えられた曲は
「Amazing grace」





よく耳にする曲で
内心安堵しながら

ピアノの伴奏に合わせて
私は歌い始めた。



Amazing Grace

How sweet the sound

That saved a wretch

like me …




歌うのは嫌いじゃない。
楽器の演奏より好き。

勝手に喉が
歌ってくれるような

そんな感覚。