だけどやっぱり 「アイツ本当に冷たくて」 「ライブも見にこねーんだ」 音羽クンから 彼女の事を聞くときだけは 唇を噛むように 複雑な笑顔を作ってしまう。 彼が可愛い彼女の事を 「アイツ」って そう呼ぶたびに 胸の中の秘密の想いが 暴れだしそうになる。 「雲雀はちゃんと来いよ?」 「ぁ…うん…」 覚悟したはずの 複雑な想いは どんどん縺れ出して 私を苦しめるように 喉元に絡みつく。 そんな苦しい片思いが 終わるきっかけになったのは 彼に訪れた ひとつの不幸だった。