初めての会話の日から
音羽クンは何かと
私に構うようになった。
「どんな音楽がすき?」
「放課後って何してる?」
「ギター触ったことは?」
声を掛けられる度に
胸がどきどきして。
目が合うたびに
頬が赤くなって。
どき、どき、どき。
何かを知らせる
煩いアラームみたいに。
激しい鼓動音が
私の中で暴れてく。
ねぇ アラームは
何を知らせてたと思う?
あの鼓動音は
ちゃんとした合図だったんだ。
恋の始まる合図。
煩すぎる、ドラムロール。
いつからか
教室へ入る前に
手鏡で自分の事を
チェックするようになった。
だから
気付いてしまった。
(私、音羽クンの事…)
(好きなんだ)