【和音side】


今は第一体育館の真ん中に円を作り、皆で話し合っている。
……というか、集めて来た食料や武器について延々と話しているだけだが。

「棘球の使い方ってさ……」
「鎖鎌についてなんだけど…」

何やら話が長くなりそうなので、私は話の間で水を差すように声を上げた。

「ねえ、あのさ。今思ったんだけどさ」
「ん? 何だよ、和音」

大吾の相槌に続ける。

「夜って皆寝るじゃない? 見張りはいらないの? 黒に襲われるかもしれないよ?」

その言葉に、日奈子が頷き言う。

「確かに……。見張りは必要だね。今第一に考えるのは武器でも食料の事でもなくって夜の事だよね」

私の意見と日奈子の同意に皆はこくこくと頷いた。
大吾は何か決心したように呟く。

「……よし。じゃあ今回は初めてだし、見張りは男子にしよう。俺がやる」
「大吾が一人で……? 大丈夫なの?」

大吾はその美加の心配そうな声にニッと笑って言った。

「だいじょーぶだいじょーぶ! 心配すんなって!」