「大吾! ちょっと来て!!」

海斗に名前を呼ばれた。俺は「あー?」と適当に返事をして海斗の所まで走る。

「海斗、一体何だよ……」
「おい、これ見ろ」

海斗はじゃらり、と両手で鎖の音を鳴らした。

「あ? ただの鎖じゃねーか……」
「違ぇよ。この鎖の先」

俺は海斗に言われるがまま鎖の先を見た。そして息を呑んだ。

「こ、これ……」
「そ。多分これ、鎖鎌だ」

鎖の先には稲刈りの時に使うような鎌が付いていた。
海斗は多少汗を掻いていたが苦笑いをしていた。

「へー……凄ぇな。鎖鎌なんて漫画でしか見た事ねぇ」
「ああ。俺もだ。でもこれ一応使えるよな? 拾ってくか」

俺は「おー」と返事をした。海斗は鎖鎌を持ったまま立ち上がった。
すると、今度は誠が俺を呼ぶ声がした。

「ねー! 大くーん!」
「あー? 今度は何だよ……」

誠はとてとてと此方まで走って来た。そして手に持っている袋を見せて言った。

「じゃーんっ! こんなの見つけちゃったよ!!」

誠が持っていた物。それは棘球だった。
俺は一段に目が輝いた。

「おーっ! 誠もなかなかやるなぁ! これってさぁ、当たったら肉を引き裂くとか、そういうんだろ?」
「うんっ。多分そーゆうやつ。ほら、近くに手袋も落ちてたよぉ!!」

誠は可愛らしくまたにこ、と笑った。
海斗は誠の頭を撫で、「よくやったなぁ」と褒めていた。

その時、

♪~~♪~~♪~~

俺の携帯電話の着信音が鳴った。俺は直ぐに携帯電話を取り出した。
自然に集まって来た浩介が言った。

「ま、まさかシャドウからじゃ……」

俺は覚悟を決め、受信ボックスを開いた。