僕らの居場所

「違う。
先生は私じゃない人を見てるんだよ。

先生に聞いたことがあって私に、よく似た人がいて、その人を重ねて見てるじゃないかな」

それでも必要としてくれるのならと思って学生時代、ずっと傍にいた。

何も無かった。
だから構ってもらえるだけでも嬉しかった。

たとえ自分じゃなく違う人と重ねて見ていても―――。

「吉村は辛くないの?」