僕らの居場所

「都心部になりますからね」

名波さんは時間を気にしていた。誰かと待ち合わせなのは確信した。

「すんません!誰かと待ち合わせしてたんっすよね」

「気になさらずに、もう来ましたから」

名波さんの視線は俺ではなくて振り返ると――――。

「遅刻ですよ、吉村さん」

俺の顔を見るなり目が真ん丸になって驚いてるのがわかった。