「吉村さん」

聞き覚えの無い声が後ろから聞こえたような気がする。
吉村を見ると何かマズイものを見られたかのように固まっていた。

円で囲んでいる為、白井や井上は、声の主の顔が見えている。「誰?」という顔をしていた。

「吉村?」

「あー…」

私の肩をポンと手を置いた。

見られて欲しくなかったのか、凄く嫌な顔をしている。
その顔は、私たちにしか見えていない。