舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

「ゲストがいるから、裏から入ろう」


「ゲスト?」


「お客様」


「ああ…そっか」


怜音はそう言って、WINGの入っているビルの裏へまわり、階段で4階まで上がった。


「さすがアスリートだな。全然息切れてない。うちのスタッフだいたいこの階段上がったら、みんな息切れ」


「…なんか、これってあんまり可愛くないですよね…?」


「そんなことないよ。どうぞ?」


そう言って怜音は鉄の扉を開けて、私を先に通してくれた。


その扉はこの間フルーツを切ったキッチンにつながっていた。


「お疲れー」


怜音がそう言うと、振り向いたのはスキンヘッドの男。



眉毛ないし!


ていうか包丁持ってるし!


あ…涼介さんが言ってた保っちゃんだ…


そうに違いない。