舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

てっちゃんが20時からバイトということで、今日のレッスンは早く終わった。


19時にてっちゃんがレッスン場を後にし、私は少し遅れてレッスン場を出た。


レッスンが終わった後、珍しく私が化粧直しをしていたら、てっちゃんが怪訝な表情で鏡越しに私を見ていた。



普段なら、そのまま帰っちゃうところだから、変に思ったのだろう。


だって…一応街に出て行くわけだし、少しは…ねぇ?


私だってまだ若干二十歳の女子だし。


電車に揺られて、バイト先だったデパートがある駅に降り立つ。


まさかこの駅の近くでまたバイトすることになろうとは…


駅から少し歩いたところで、怜音にもらった名刺を出して、意を決して電話をしてみた。