舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

翌日から、バイトを辞めた私は、バレエ漬けの毎日を送っていた。


昼までジムで筋トレとプールでウォーキングし、昼からレッスン場で団員の指導をしてから夜まで自分のレッスン。


週末には他の団員との合同練習があり、気づけば最後に怜音に会ってからもう1週間が経とうとしていた。


そろそろ返事をした方がいいよね。


ジムに通うのも、もちろん団は費用を出してくれないわけで、自分としては月額8000円はかなり痛い出費。


やっぱり、お言葉に甘えて働かせてもらおう。


明日、レッスンが終わったら電話をかけてみよう。


ベッドの上でもらった名刺を見つめていた。


「矢吹…怜音・・すごい名前」


思わず笑ってしまった。


源氏名ってやっぱりみんなこうなのかな。


あの人…いくつくらいなんだろう。


たぶん、私とそんなに変わらない。


だけど、何店舗も経営する社長さんなんだもんね。


そんなことを考えていたら、疲れのせいか電気をつけたまま眠ってしまっていて、気づいたら朝になっていた。