「飾り切りっていうの?こういうの」



「ああ…はい」



「上手だね。ありがとう、おいしかった」



そう言って極上の笑顔を浮かべたミルクティー色は隣にいた青い瞳に声をかけて颯爽とその場を後にした。




そういえば、ああいう人が働くところって、フルーツの盛り合わせが出てきたりするんだよね。



ぼんやりと人込みの中に消えていくミルクティー色の後ろ姿をみているといつの間にか皿の上のオレンジがなくなっていた。