舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

レッスン場に着き、幼稚園団員のレッスンをしている途中だったので、私も先生に頼まれて指導をしていた。


私もあんな感じだったんだろうなぁと思いながら、可愛くて可愛くて頬がほころんで仕方がなかった。



「奈々ちゃんせんぱい、ありがとうございました!」


「お疲れさまでしたー」



くるみ割り人形に彼女たちも出演する。


うちの団のオリジナルシナリオで、すべての団員に役が与えられるのだ。


あんな小さな団員だけれど、同じ舞台に立つパフォーマーだから大切に育てなくては。



「奈々、なんかいいことあったの?」


「え?」


「なんか、いい顔」



先生に頬を触られて、私は微笑んだ。


いいこと…あったのかな?


それを決めるのは自分次第だよね…