「ああ、それなら心配いらないよ。入れるときに入ってくれたらいいし。時給はそうだなぁ…これでどう?」


怜音はそう言って指を1本立てた。


「1000円…」


「え?違うよ。0一個少ない、少ない」



笑いながらそう言う怜音に、私は口をぽかんとあけて、呆然としてしまった。


「涼介、これ、みんなに内緒な?」


「わ、わかりました。すごいですね、怜音さん。異例の時給一万円…」


涼介も驚いたのか、苦笑いを浮かべている。


「これなら週一回二時間だけ働いても、1か月8万は稼げる。どう?悪い話じゃないでしょ」


「悪い話も何も…良すぎて怖いです…」


私がそう言うと、怜音はなにか考えながら何回かうなずいて私に近づいてきた。