「ちょっと厨房きて。見てもらいたいものがあるんだけど」


「はい。わかりました」


涼介とそんな会話をして、怜音はまた私を引きずって奥へと進んでいく。


後ろから涼介がついてきて、ホスト達が何事かとざわついているのがわかった。


「フルーツ、なんかある?」


厨房に入ると怜音は大きな冷蔵庫の中を確認し始めた。


「えーっと、グレープフルーツといちごと…」


そう言って涼介は段ボール箱から色鮮やかなフルーツを取り出した。


「じゃあ、切ってみて。涼介、ナイフ出して」



怜音はそう言って、段ボール箱から取り出したグレープフルーツを私に投げた。