「バレリーナなの?」


「ああ…はい…って言ってもまだまだ駆け出しですけど」


「そうか」


怜音はそう言って笑った。


やっぱり綺麗な顔をしている。


「入らないの?」


「ああ…せっかく教えてもらったんですけど、やっぱりやめときます。実は、あのバイト、やめちゃって。しばらく金欠になるから」


「辞めちゃったって…何で?」


「え…」


怜音が急に真剣な顔になり、私は言葉を詰まらせた。


そして、その真剣な顔に押され、私は理由を話しだした。


本業のバレエに支障が出ることを。


私の話を聞き終えて、怜音はなにか考え込んでいた。