舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

「あれ…何やってんの?同じ所で」



怜音が立ち止まると、お供も当然のように立ち止まる。



「あ…ちょっと」


「道、迷った?」



「う…はい」



そう言って俯くと、ポンと頭の上に手が置かれた。


思わず見上げると綺麗な笑顔で見つめられていて、私はまた俯いた。



「お前ら、先行ってて。追っかけるから」



「怜音さん、逃げないでよ…」



くらーい声で言ったのは黒髪の男。


さっきまで怜音を必死で探していたのがわかるほど、なんだかげっそりしている。