舞姫〜貧乏ﾊﾞﾚﾘｰﾅのｼﾝﾃﾞﾚﾗｽﾄｰﾘｰ〜

この街は本当に人が多い。


夜、バイトを終えて帰るときだって、昼より多いんじゃないかと思うくらいの人でごった返している。


一歩路地を入れば、歓楽街だけど、普通に中学生とかが遊んでるし。


楽しい街だけど、怖い街でもある。


「あ…あれ・・？」



何回も行っている場所なのに、一つ路地を間違えたのか店が何処にあるのかわからなくなってしまった。


「はぁ…なんか、いやになってきた」


ビルの隙間の狭い空を見上げて、ため息をついた。


わかっていたとはいえ、さっきの人事の人の一言は結構ダメージだ。


とぼとぼ歩きまわっていたら、ちょっと危ない所に入って行きそうだったので、私は道を引き返した。