舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

翌日、午前中からバイト先のデパートがある駅に降り立っていた。


バイトは休みだけど、考えた結果やっぱり公演に集中するために辞めようと思ったから。



公演が終わったらまた新しいバイトを探せばいい。


そう自分に言い聞かせて人事の人に会いに行った。



「ああ、そうですか。では、明日から来なくて結構です」



そう言われた時は拍子抜けした。


世の中って、こんなものなんだ。


1年間続けていても、引き止めるどころか「どうぞ」という感じだ。私のかわりはいくらでもいる。


まぁ、当たり前か。


1年間使っていたロッカーを掃除して、エプロンと名札を返却してデパートを後にした。


それから、この駅の近くにあるバレエショップに行こうと歩いていた。