舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

ため息をついて着替えをし、先生と相談して今日は金平糖の踊りをすることになった。


チェレスタを使った幻想的な曲に合わせ、昨日てっちゃんが言っていた『抜群のバランス感覚』が必要な振付を踊る。


振付師によって、その振付はさまざまだが、ポワント(トゥシューズでつま先立ちしている状態)の時間が他のどの役より長く、その状態を美しくキープしなくてはならない。



「やばい…足痛い…」



「奈々、前から思ってたんだけど、シューズ合ってないんじゃないの?」



「え・・?そうなのかな…」



「そんなに高いものじゃないし、ヴァンプの深いやつに変えてみたら?ポワントの時に楽だと思う」



トウシューズを履いてポワントをすると、足の甲にかなりの負担がかかる。


これじゃあ足を傷めかねない。