舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

今日もさっとそこを通り、ちらっとホールの様子をうかがうと、VIP席に怜音が座っているのが見えた。


そして、隣に座っている人も。


「あの人が…怜音のエース…」



トイレに入って、今見た光景を思い出した。


怜音はホスト。


女の人に夢と愛を与える。


それが仕事なんだ。


もうホールの様子をうかがうのは止めよう。


見たって、むなしくなるだけだ。


怜音の隣に座っていた人は、意外にも普通な感じの人だった。


もっと、派手な感じの人かと思ったけど、そうじゃなかった。


どちらかというと地味な感じの人。


服装だって、普通だった。