舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

3歳年上のてっちゃんに、ひそかな恋心を抱いていることは言うまでもない。



だけど、たぶん、これは本物の恋ではない。きっとただの憧れ。


カズさんと同じような感覚で、てっちゃんも見ていた。



恋ではないけれど、てっちゃんに初めて彼女ができた時は、少なからずショックを受けたけど。


幼馴染の、変な独占欲。


てっちゃんを乗せた電車が去って、私はベンチに腰を下ろした。


明日、バイト先になるべく朝のシフトにしてもらえるように頼んでみよう。



午後から夜までレッスンしたい。


てっちゃんの期待もそうだけれど、今まで私を育ててくれた団にも恩返しの意味でしっかり踊らなくては。


そんな思いを胸に帰宅し、バイトまでぐっすりと眠った。