舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

「え?何を?」


「オムレツ。教える約束したじゃん」


「あ、そうだった。今、大丈夫なの?」


「うん。ミーティング始まるまで平気」


そう言って怜音は腕まくりをして笑った。



私と怜音が卵を割っていると、保っちゃんが近寄ってきた。


「何するんですか?」


「オムレツの作り方教えようと思って」


「ああ、代表のオムレツ、うまいから…」


「今朝、食わしたら目キラキラさせて『教えて』なんて言うから」


「へぇー…え?」


保っちゃんは怜音の一言を聞き逃してはいなかった。


『今朝』なんて言ってしまった怜音は、口元を押さえて私の方を見た。


自分でばらしてどーすんの!?


しゃっちょさん!