「おはよ。俺、OXYで下ろして」


「了解です。奈々さん今日バイト入ってもらえるんですか?」


「あ、はい!」


後部座席に座りながら、そう答えると、さわやかな笑顔が返ってきた。


でもそのさわやかな笑顔の奥に、意味ありげな微笑みが隠れているような気がして、私は顔を伏せた。


一晩泊ったんだから、そういう関係になったって思ってるよね。


だけど、『そういう』ことはなかった。


きっと百戦錬磨の怜音は私なんかじゃ満足しないんだろうな…


だけど、彼女にしてくれるって言ってたし。


信じなきゃ…ね。