舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

葵が車に乗り込んで、車が走り去るのを見届けてから、怜音に手を引かれてマンションの中へ入った。


ホテルじゃないのにフロントに人がいて、びしっとスーツを着たその人に会釈すると、ザ・営業スマイルが返ってきた。


怜音はその人に目もくれず、涼しい顔をしてエレベーターのボタンを押していた。


「何階?」


「18階」


エレベーターがやってきて、それに乗り込むと、怜音は18のボタンを押して壁に背中をつけた。



まだずっと手は握られたまま。細くて骨張った怜音の手は、ひんやりしていて心地よかった。


逆に私の手汗がでていないか心配だった。