舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

「あれー?誰かと思ったら、WINGの矢吹怜音さんじゃないですか」



料理が運ばれてきて、まさに食べようとしていたとき、私たちのテーブルの横を通った男が、怜音の顔を見て近づいてくる。


「どーも」


怜音はそっけなくそう言って、無視するようにワインに口をつけた。


男は私の方をちらりと見ると、にやりと口角を上げてまた怜音に視線を移す。



「大変ですねぇ、売れっ子は。定休日でも枕だけは営業中って感じですか?」



「どっかのシケた店とちがって、うちは健全なサービスが売りなので」



「へぇ…じゃあ、プライベート・・」



そう言って男は私の顔をじろじろ見てくる。


たぶん、この人もホストなんだろう。


でも、『枕』って何…?