「今度の公演の出来次第で、君を僕のバレエカンパニーに招待したい。とりあえずは、ソリストとして。考えてもらえるかな」



薄いブルーの封筒を受け取った私の手は震えていた。


まさか…


もうダメだと思っていたのに、こんなことってあるの?



「ロシアのレッスン場は来年の2月に完成する。それに合わせてロシアに移り住んでもらうことになるから、よく考えて」



「はい…」



思わずイワンさんの顔を見上げると、やわらかな表情で微笑んでくれた。



それを見た私は封筒で顔を隠して、涙した。