舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜

「先生、こんばんは。これ、母が皆さんで食べてくださいって」



「あら、いいの?ありがとう」



先生に紙袋を渡した甲高い声の女の正体は、このバレエ団の会長の孫の円城寺くらら。



名前からしてまさしくお嬢様の彼女。


私より歳は一つ上だ。


彼女のように、超金持ちで、バレエを続けていられる人も、実は結構多い。


「なーなぁ♪」


「あ…どうも」



顔をあげると、くららが私を見下ろしていた。



う…なんかいやな予感がする。