夢幻(むげん)【完結】


 はぁ~、遥じゃなかったか……。

 にしても、休みなのに、何か問題でも発生したのか?


「今日は、休みだけど、何か問題でもあったのか?」

「ん? 問題があったとかではないけど、テニス部は休みだって聞いたからチャンスかな? と思って……」


 ニッコリと可愛らしい笑顔で、相田が答えた。


「チャンス? 何の事だ?」

「もちろん、朝比奈君をデートに誘うチャンスよ」

「ん?」

「私、貴方の事が好きなの」


 遼平の目を真直ぐに見て言う。



 えっ、相田が、俺のことを……?



 冗談を言う性質でもないし、今の相田は、真剣な目をしていた。