夢幻(むげん)【完結】


 これは、何かしら?

 でも、遼平だよね?


 遥は、人形に微笑んだ。

 と、その時、どこからか遼平の声が聞こえた。


「あれは……?」


 そちらを向くと、実物の遼平がいた。


『これは遼平だよ。私を裏切らない私だけの遼平』


 そんな声があたり一面に響く。


「……お……れ?」

『そうよ。私が創ったのよ』


 そういうと、遥は創りだした幻影の“遼平”にキスをする。