夢幻(むげん)【完結】


 遥は、眠りから覚め、周りを見渡した。

 相変わらず、周りに何もないところにいた。

 だが、泣いたせいか、前より気分がすっきりしていた。



 ん?

 何がある?



 ぼんやりと何かが見えた。

 それに手を伸ばした時、ぼんやりとしていたものが、はっきりと目の前に現れた。





 現れたもの、それは、遼平であった。


『遼平……?』


 だが、遥の呼びかけに対し、返事が返ってくることはなかった。

 よくよく見ると、実物ではなく、人形のようであった。