返事はない。 返事を待っている相手は、深い深い眠りの中にいた。 遼平の目から涙が一粒零れ落ちる。 「遥、お願いだから目をあけてくれ。頼む」 遼平は眠り続ける遥に泣き縋った。 『夢幻(むげん)-遼平編-』