くるきら万華鏡

 この時、私は確信したのです。


 有坂皆人は女の敵。


 私の敵は奈緒ではなく、私と奈緒共通の敵が有坂皆人なのである。


 奈緒、今ここで、有坂皆人撲滅同盟を組もうではないか!


「奈緒、帰ろ!」


 私は奈緒の手を引き、教室出入り口に向かった。


「仲直りできて良かったね、俺も嬉しいよ。」


 背後から、有坂くんの腹立たしげな声。


 ふうん、バカなくせに、そういう皮肉は思いつくんだ。


 私は立ち止まって振り向くと、


「バカ皆人、死んじゃえ!」


 って吐き捨てて、フンッと顔をそむけると、奈緒を連れて教室を出た。