「多恵ちゃんは… 目的を果たすために俺を利用したんだな。もう俺は用なしだからって、そうやって突き放すんだな。血も涙もない悪魔め!」


 この人は何を言い出すのでしょう…


 そういうのは、女のセリフでしょうが!


「そうじゃないよ。学校以外で仲良くしよ。そうだ、メールして、メール! 私もするし。」


 なんで私、ムチャクチャな言い分で駄々こねてる皆人くんを宥めてんのよ。


「じゃぁ、メールするから…めんどくさいけど…休みの日とか遊んでくれる?」


「うん、うん、遊んでくれる!」


 ヤンチャ坊主の皆人くんが納得してくれたのが嬉しくて、思わず二つ返事で承諾してしまった。


 でも皆人くん、『めんどくさいけど』は余分だよね?


 皆人くんが、私の気も知らず無邪気に微笑んで、私の心臓は高鳴る。






 鈍感皆人くんは


 残酷だ…