「ねぇ、皆に誤解されると困るんだよね。」


「何が？」


「だからぁ、頻繁に私んとこ来るのやめて欲しいの！　どう考えても不自然でしょ!?」


「俺と多恵ちゃん、友達だろ？　別に不自然じゃねーし。」


　皆人くんがしょんぼりして見せるので、少し心が痛んだ。


「周りはそんな風に見てくれないの！　もうすでに誤解されてんの！」


　心を鬼にして、説教を続けた。


「別にいいじゃん、誤解されたって。」


「皆人くんはいいかもしんないけど、私は困るんだよね。ちっとも彼氏できないじゃん！」


　女子たちの嫉妬が怖いとは言えなかった。