学校に復帰した皆人くんは、どういう訳か何かにつけて私にかまう。


 なんか、皆に誤解されるのも嫌だし、何より女子の反感かうのが怖い…


 ぶっちゃけ、迷惑です。


 休み時間、消しゴム貸してと、またしてもどうでもいい用事でやってきた皆人くんに、思い切って抗議してみた。


「クラスの子に借りれば? 消しゴムぐらい。」


「何だよ!? 多恵ちゃん、怒ってる?」


 私の不満げな表情に、さすがの鈍感皆人も気付いたようです。


「ちょっと来て。」


 クラス皆の前で揉めるのもためらわれて、皆人くんの袖を引っ張り教室出口へ向かった。


「なになに? 愛の告白?」


 皆人くんがわざとらしくデカい声で、ふざけて言う。


「違うわ、バカもの!」


 階段の踊り場まで行き、皆人くんの袖から手を離す。