皆人くんの肩を掴んで、結構激しめに揺らしてみたけど、全く起きる気配がない。


 熟睡している。


 服を着るなら今がチャンス。


 そっと皆人くんの腕の中から脱出しようと試みた。


 そしたら…


 皆人くんが両手を私の腰に回し、すごい力で引き戻された。


 熟睡しているはずなのに、なんでよ!?


 でも、私はわかっていたのです。


 どんなに熟睡していても、肌に触れる温もりが消えると、皆人くんは無意識に反応してしまうのでした。


 この時の皆人くんは、人の温もりを激しく求めていた。


 まるで、砂漠で遭難した人が、命を繋ぐ水を求めるように、激しく…


 皆人くんの心は、カラカラに渇いていました。