「服だけでも着させて。」


 皆人くんの腕の中から訴えるように見上げると、


「ダメ」


 とそっけない一言が返って来た。


「パンツだけでも。」


「ダメ」


「じゃぁ、せめてブラ…」「もっとダメ!!」


 皆人くんは意地悪だ。


 例え少しの間だとしても、一糸纏わぬ格好で… 恥ずかしすぎる、泣きそうです。


 そんな私の気持ちなんかまるで気にすることなく、皆人くんは目を閉じた。


 そして数秒後には、スースーと寝息を立てていた。


 ずっとまともに睡眠すらとっていなかったのだと、そう感じた。