くるきら万華鏡

「俺も膝痛い。」


 皆人くんは負けじと言い返して来た。


 この人は、この期に及んで何を張り合っているのでしょう?




 皆人くんは私の頭の下に自分の右腕を敷き、その腕に力を込め私を抱き寄せた。


 そして空いている左手を自分の肩の後ろへ持って行くと、背後のベッドの上から掛け布団を引き摺り下ろして、私たちの上に包むように載せた。


「多恵ちゃん、少しだけこうしてて。」


 左手も私の背中に回して、皆人くんはさらに私をきつく抱きしめる。


「だったら、ベッド行こうよ。」


「ここでいい。」


 皆人くんは意地悪く微笑む。


 それは仕返しですか?