「多恵ちゃん、俺を絶対好きにならないって約束して。」 皆人くんがそう言うので、私はただ、うんうんと、小さく二回頷いた。 そんな約束、もう現時点ですでに破ってしまっているけど、でも、私の胸のうちに秘めておけば済む話だと、この時はそう、安易に考えていた。 皆人くんが、両腕を頭と背中の下にそれぞれ回して支えてくれたので、幸い背中への痛みは感じることはなかった。 初めてのそれは、恥ずかしくて、でも神秘的で、夢心地で、儚くて… とても、幸せな痛みでした。