くるきら万華鏡

「今日は誰も止めに来ねーよ。」


　口付けの合間に皆人くんが囁く。


「いいの。私を…　私の全部を受け取って。」


　私の口から出た大胆発言に、自分自身驚いた。


「多恵ちゃん、同情なら…　こんなこと良くない。」


　床に押し倒した私を見下ろし、切なげに苦笑して皆人くんは言った。


「同情なんかじゃない。」


　私はあなたを愛しているのです。


「高校生のうちに経験したかったんだ。皆人くんの弱みにつけ込んで、その目的を果たそうとしてるだけ。」


　それを信じ込ませるために、わざと目一杯笑ってみせる。


「まだ半年残ってんじゃん。その間に彼氏作れば良くね!?」


「うるさいよ！」


　私は身を少し起こして、皆人くんの唇を自分の唇で塞いだ。