くるきら万華鏡

 どうしていいかわからず、私は座卓の傍に足を崩して座った。


 皆人くんは、ベッド端に腰掛け、不思議そうに私を見ている。


「皆人くんのクラスの子にノートコピらせてもらったんだ。」


 私はそう言いながら、鞄からクリアファイルに入れたコピー用紙を取り出し、座卓の上に置いた。


「ありがとう。でも俺、ノートとったことねーし。多恵ちゃん知ってんじゃん!?」


 そう言ってまた無理矢理微笑む。


「うん…」


 ここへ来る口実が欲しかっただけです、不自然極まりなかったですね、反省です。


「学校来ないの?」


 伝えたいことは沢山あったはずなのに、皆人くんを前にしたら、頭が真っ白になってしまった。


「なんかだりぃ。もう少し休みたい。」


 ようやく皆人くんが弱さを見せ、私は何故か少しホッとした。


「うん…」


「多恵ちゃん、さっきから『うん』ばっか言ってるし。」


 皆人くんは、そう言って笑い、ベッド端からお尻を滑らせて床に腰を落とし、ベッドの側面にもたれた。