くるきら万華鏡

 立っているのがやっとだと、門の外から遠目に眺めていてもわかる。


 ボロボロの皆人くんは、それでも一生懸命微笑んで、私に『俺は大丈夫』と伝えようとするのでした。


「入る? …わけねーか。」


 皆人くんが苦笑する。


「入る。」


 気を緩めると、泣き出してしまいそうで、短い言葉しか口にできない。


「どうぞ。きたねーけど。」


 皆人くんは、背でドアを支えるようにして立った。




 皆人くんの部屋は、自己申告どおり、すごく散らかっていて、床に転がる雑誌やらゲームやらを、皆人くんは掻き集めるようにして滑らせて、ベッドの下に潜り込ませた。


 座卓の上の灰皿には、吸殻で小さな山が出来ている。