ある土曜日、私は皆人くんの家の前に立っていた。


 酔っ払って皆人くんの部屋に泊まった日の記憶を頼りに、私は皆人くんの家になんとか辿り着いた。


 きっと迷惑でしょう。


 私なんかが来たって、なんの慰めにもならないでしょう。


 今は一人でいたいでしょう。


 放っておいて欲しいでしょう。


 でも出来なかった。




 インターフォンを押した私には、なんの躊躇いもなかった。


 ただ、皆人くんに一目会いたかった。


 今は、あの無邪気な笑顔は見られないってわかっていて、それでも皆人くんが恋しくて仕方なかった。