『ご飯食べたんじゃないの?』


「食べたよ? 今日は隣のクラスの子が作ってくれた。」


『じゃあ、なんで─』


「綾が作ってくれないから。」


ふてくされたような顔で卵焼きを食べるアイツ。


『なんで頼まれてもないお弁当を、私が作らなきゃいけないのよ。』


「…って事は頼んだら作ってくれるって事?!」


『…別に、考えてあげないでもないけど。』


「その言葉覚えとけよ!」


『忘れなかったらね。』


「よし!、明日は綾の手作り弁当だ!!」


子供のように喜び、ハシャぐアイツに少しだけ気を許してる自分がいた。
ほんの少しだけ。


「明日の昼は此処で待ってるから、絶っ対に忘れんなよ?」


念を押すアイツに、素直にうんと頷いた。